【あなたは大丈夫?】フレイルの症状と予防方法を知って進行を食い止めよう!
フレイルとは、加齢に伴う心身の衰えを指し、放置すると深刻な健康問題に繋がる可能性があります。本記事では、フレイル症状の3つのサインやその見逃しの危険性について詳しく解説します。特に仕事を辞めた後の生活習慣の変化がフレイルのきっかけとなりやすいため、注意が必要です。また、フレイルとサルコペニア、ロコモティブシンドロームとの関係についても触れ、転倒・骨折のリスクを避けるための筋力低下対策や、健康寿命を延ばす食事、認知症リスクを回避するための脳トレ方法なども紹介します。フレイル症状を早期に見つけ、適切に対処することで、健康的な生活を維持しましょう。
フレイルとはどういう状態?
加齢とともに心身の活力が低下し、介護が必要になるリスクが高まる状態をフレイルといいます。
近年、医療や介護の進歩により、平均寿命は延びています。しかし、長寿社会の課題として、健康寿命と介護が必要となる期間の差が拡大しています。健康寿命を延ばし、自立した生活を維持するためには、フレイルの予防と早期発見が重要です。
フレイルは、英語の「frailty(虚弱)」を日本語訳した言葉で、加齢によって筋力や心肺機能、認知機能などが低下し、日常生活に支障をきたす可能性が高くなった状態を指します。病気ではないものの、健康な状態と介護が必要な状態の中間に位置づけられます。
フレイル症状3つのサイン見逃しは危険!
「あれ?最近、親が以前より動きが鈍くなったような...」高齢の家族の変化に、ふと不安を覚えたことはありませんか?もしかしたら、それはフレイルのサインかもしれません。 フレイルとは、心身の機能が低下し、健康と要介護状態の中間の段階を指します。一見、健康に見えても、ちょっとしたきっかけで介護が必要になるリスクが高まる状態です。 しかし、フレイルは早期発見と適切な対策で改善が見込めます。そこで今回は、見逃しがちなフレイルの3つのサインと、今すぐできる対策についてご紹介します。
フレイル症状3つのサイン
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体重減少
食欲不振や運動不足による体重減少は、フレイルの隠れサインです。特に、短期間で体重が2kg以上減った場合は要注意です。 -
歩行速度の低下
いつもより歩くのが遅くなった、歩幅が狭くなった、息切れしやすくなったと感じたら、筋力低下やバランス機能の低下が考えられます。転倒リスクも高まるため、注意が必要です。 - 握力の低下
握力は、筋力や栄養状態を反映する指標です。握力が30kg未満(男性)/20kg未満(女性)は、フレイルの可能性があります。
これらのサインを見逃さないことが、フレイルの予防・改善に繋がります。
フレイルの初期症状を放置するとどうなる?
フレイルの初期症状を放置すると、筋力や体力、バランス感覚がさらに低下し、転倒や骨折のリスクが高まります。骨折は骨折部位の痛みや可動域制限だけでなく、寝たきりや認知症の発症リスクを高める可能性があります。
また、食欲低下や噛む力が弱くなることで、必要な栄養素が不足し、低栄養状態になる可能性があります。低栄養は、免疫力低下や貧血、筋力低下など様々な健康問題を引き起こします。
さらに、外出や活動の減少は、社会的な孤立に繋がり、うつ病などの精神疾患のリスクを高めます。社会的な孤立は、認知機能の低下や生活意欲の低下にも影響を与えます。
フレイルのきっかけは?仕事を辞めたあとが要注意!
65歳や70歳を超えても元気に仕事を続ける方が増えています。しかし、長年バリバリ働いていた人が、仕事を辞めた途端にフレイル状態になってしまうケースも少なくありません。一体なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
- ■社会とのつながりの減少
- 仕事は、社会とつながる重要な役割を果たしています。仕事を通して、同僚や上司と交流したり、社会貢献を実感したりすることで、人は生きがいを感じ、精神的な活力を維持することができます。仕事を辞めると、これらの機会が減り、孤独感や孤立感を抱きやすくなり、無気力状態に陥ってしまう可能性があります。
- ■目標や達成感の喪失
- 仕事では、目標を達成するために努力し、達成感を得ることができます。目標や達成感の喪失は、意欲や生きる気力を低下させ、無気力状態につながる可能性があります。特に、仕事に強い情熱を持っていた人や、仕事で大きな成果を上げてきた人にとっては、仕事を辞めた後の喪失感が大きくなり、無気力状態に陥りやすくなります。
- ■生活リズムの乱れ
- 仕事をしているときは、規則正しい生活を送ることが求められます。しかし、仕事を辞めると、生活リズムが乱れやすくなり、睡眠不足や食欲不振などの体調不良を引き起こす可能性があります。体調不良は、精神的な活力を低下させ、無気力状態につながる可能性があります。
これらの要因に加え、老後の不安や経済的な問題なども、無気力状態に拍車をかけることがあります。無気力になると、運動不足や栄養不足につながります。運動不足は、筋力や体力低下を招き、栄養不足は、骨粗鬆症や貧血などのリスクを高めます。これらの状態は、フレイルの進行を招きます。
フレイルは年齢のせい?
フレイルは、加齢によって心身の活力が低下する**「老年症候群」**と誤解されがちですが、年齢そのものが直接的な原因ではありません。
フレイルの主な原因は、運動不足、栄養不足、社会との孤立などの生活習慣です。これらの習慣は、年齢に関わらず、誰にでも当てはまります。
近年は、40代や50代など、比較的若い世代でもフレイル予備群が増加していることが問題視されています。これは、食生活の欧米化や運動不足、社会的な孤立などが原因と考えられています。
食生活の欧米化によって、野菜や果物の摂取量が減り、塩分や糖分の摂取量が増えています。これは、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高め、フレイルにもつながります。
運動不足は、筋力や体力の低下を招き、転倒リスクを高めます。また、社会的な孤立は、孤独感や不安感を増し、意欲や活動量の低下につながります。
フレイルとサルコペニアの違いとは?
フレイルとサルコペニアは、高齢者に多く見られる症状ですが、異なる概念です。
フレイルは、加齢や病気などによって心身の活力が低下し、健康と要介護状態の間の状態を指します。身体的な側面だけでなく、精神的な側面や社会的な側面も含めた広範囲な概念です。
一方、サルコペニアは、加齢や病気などによって筋肉量が減少、筋力が低下した状態を指します。フレイルの身体的な側面の一部を具体的に定義したものと考えられます。
フレイルの症状としては、疲れやすさ、筋力や体力低下、歩行速度の遅延、食欲不振、意欲や活動量の低下などが挙げられます。サルコペニアの症状としては、筋肉量の減少、筋力の低下、握力低下、歩行速度の遅延などが挙げられます。
サルコペニアは、フレイルの原因の一つとなることもあります。また、サルコペニアが進行すると、転倒リスクや骨折リスクが高まったり、日常生活動作の困難につながったりする可能性があります。
- フレイルは、心身の活力が低下した状態
- サルコペニアは、筋肉量が減少、筋力が低下した状態
- フレイルは、サルコペニアを含む広範囲な概念
- サルコペニアは、フレイルの原因の一つ
- どちらも適切な対策で予防可能
フレイルとロコモティブシンドロームの関係
フレイルとロコモティブシンドロームは、高齢者に多く見られる症状ですが、密接な関係があります。
フレイルは、加齢や病気などによって心身の活力が低下し、健康と要介護状態の間の状態を指します。身体的な側面だけでなく、精神的な側面や社会的な側面も含めた広範囲な概念です。
一方、ロコモティブシンドロームは、運動器の障害によって移動機能が低下した状態を指します。骨粗鬆症、変形性関節症、腰部脊柱管狭窄症などの疾患が原因で起こります。運動器とは、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称です。これらの組織が連携して働くことで、私たちは体を動かすことができます。
フレイルの症状としては、疲れやすさ、筋力や体力低下、歩行速度の遅延、食欲不振、意欲や活動量の低下などが挙げられます。ロコモティブシンドロームの症状としては、関節痛、歩行困難、転倒などが挙げられます。
フレイルの身体的な側面は、ロコモティブシンドロームによって大きく影響を受けます。ロコモティブシンドロームによって移動機能が低下すると、活動量が減少し、筋力や体力も低下します。これが、フレイルの進行につながります。
逆に、フレイルによって筋力や体力低下が起こると、ロコモティブシンドロームのリスクが高まります。筋力や体力低下によって、転倒しやすくなったり、骨粗鬆症や関節痛などのリスクが高まったりするためです。
転倒・骨折のリスクも!筋力低下への対策
筋力低下を防ぐためには、適度な運動とバランスの良い食事が大切です。
運動は、筋肉量を増やし、筋力を強化するのに効果的です。特に、筋トレやウォーキングなどの運動は、筋力維持に効果があります。
食事では、筋肉の材料となるたんぱく質を積極的に摂取することが重要です。たんぱく質は、肉類、魚類、卵、大豆製品などに多く含まれています。
高齢者におすすめの筋トレは、安全で、日常生活に必要な筋力を鍛えられるものです。具体的には、以下のメニューがおすすめです。
高齢者の筋トレメニュー
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スクワット
足を肩幅に開き、つま先を前に向ける
背筋を伸ばし、ゆっくり腰を落とす
太ももが床と平行になるまで腰を落としたら、ゆっくりと元に戻る
10回程度繰り返す -
腕立て伏せ
膝を床につけて行う場合は、膝を床につける>
手を肩幅に開き、体をまっすぐにする>
ゆっくりと体を沈み込ませ、胸が床につく前に元に戻る>
10回程度繰り返す - 腹筋運動
仰向けに寝て、膝を曲げる
両手を頭の後ろに添える
ゆっくりと上体を起こし、肘が膝につく前に元に戻る
10回程度繰り返す - 背筋運動
うつ伏せに寝て、両手を体の横に置く
ゆっくりと上体を起こし、目線が斜め前方になるまで起こす
ゆっくりと元に戻る
10回程度繰り返す
呼吸を止めずに無理のない範囲で行ってください。痛みを感じたらすぐに中止しましょう。
筋トレを習慣化するには、毎日決まった時間に同じことを行うことが大切です。例えば、朝起きたらすぐに筋トレをする、夜寝る前に筋トレをするなど、自分にとって無理のない習慣を作ることが重要です。
健康寿命を延ばす食事
健康寿命とは、健康的な日常生活を送ることができる期間を指します。近年、健康寿命を延ばすための取り組みが盛んになっています。健康的な食事には、以下の要素が重要です。
- 主食:エネルギー源となる(ご飯、パン、麺類など)
- 主菜:体の構成要素となるたんぱく質を多く含む(肉類、魚類、卵、大豆製品など)
- 副菜:ビタミン、ミネラル、食物繊維などを多く含む(野菜類、果物類、きのこ類、海藻類など)
一例として、以下のメニューをご紹介します。
朝食
- 玄米ご飯
- お吸い物
- 焼き鮭
- 野菜炒め
- ヨーグルト
昼食
- サンドウィッチ
- 鶏のから揚げ
- 野菜スープ
- リンゴ
夕食
- 雑穀ご飯
- 味噌汁
- 納豆
- 豚肉の生姜焼き
- キャベツ
- ひじきの煮物
- ゆで卵
間食
- ヨーグルト
- フルーツ
- ナッツ
認知症のリスクを回避する脳トレ
認知症のリスクを回避するためには、脳を活性化することが重要です。脳トレは、脳を活性化し、認知機能の低下を防ぐ効果があります。
脳トレには、さまざまな種類があります。論理的思考力や集中力を鍛えるには、計算やパズル、クイズ、トランプゲームなどが効果的です。知識や語彙力を増やすには、読書や新聞を読む、語学学習などがおすすめです。創造性や表現力を鍛えるには、楽器演奏、絵画、手芸などが良いでしょう。脳の血流を促進し、記憶力や思考力を高めるには、運動、ダンス、ヨガなどが効果的です。
ポイントとしては、自分に合った方法を見つけることが重要です。興味のある分野や得意な分野から始めると、楽しく続けることができます。また、毎日少しずつでもいいので続けることが大切です。無理せず、自分のペースで取り組みましょう。楽しみながら行うこともポイントです。音楽を聴きながらや、友人や家族と一緒に取り組むのも良いでしょう。
脳トレは、継続することで効果が実感できます。誰でも取り組むことができるので、ぜひ習慣化して、認知症のリスクを回避しましょう。
フレイルの症状と予防方法 まとめ
- 体重減少は、フレイルの隠れサイン
- 歩行速度が遅くなった感じたら要注意
- 握力で筋力の状態をチェック
- 外出の減少は社会的な孤立に繋がる
- 仕事を辞めると無気力になりやすい
- 筋トレでフレイルを予防
- 健康寿命を延ばす食事(主食、主菜、副菜)
- 認知症のリスクを回避するための脳トレ